運動能力向上につながるコアな動きを身につけよう


つなぐーととは

 例えば、「なわとびができるようになるには、どうしたらいいのだろう?」と思ったときは、インターネットで記事や動画を見たり、本で調べたりします。すると、縄の長さや握り方、跳ぶためのコツなどがわかります。でも、実際にやってみるといろいろな問題が起きて、そのとおりにできないということがよくあります。まっすぐ上にジャンプすることができない、縄回しとジャンプのタイミングが合わない、うまく縄が回せない等々。何度も何度も練習すれば、だんだん上手になるでしょうし、そのような練習を楽しく感じる子どもさんもいます。でも、同じ練習をくり返し行うことが得意ではない子どもさんもいますし、そもそも運動経験が不足しているために、できるまでに時間がかかる子どもさんもいます。

 どちらにせよ、もっといい方法があります。できない運動の要素が含まれた別の運動をするのです。そうすれば、それは子どもたちにとって新しい刺激、新たな運動経験です。面白そうという興味をもって、また運動に取り組んでもらえるはずです。

 先ほど例にとったタイミングが合わないという問題は、縄跳びのときだけでなく、器械運動やボール運動などのときにも起きます。そのような子どもさんには、リズム系の運動能力を刺激してあげることが大切です。さまざまなリズム系の運動を経験することにより、どのような運動種目であっても、その場面で必要なリズムやタイミングで運動を行えるようになっていきます。これは、私たちがこの教材で目指したいことの一つでもあります。

 同様に跳箱をしたりボールを投げたりしても、いろいろな問題にぶつかるでしょう。私たちは、それらの問題を解決するために役立つと考えられるさまざまな運動をここに紹介していきたいと考えています。

 この動画で紹介する種目はどれも、くり返してできるようになることを目的としていません。年齢が低い子どもさんであればあるほど、いろいろな運動をやってみる、経験するということがとても大切です。スポーツを始める前の準備運動や遊びくらいの軽い気もちで、ここに紹介した運動を試してみてください。できそうになったら、もう少し難しい次の運動に移ってもらっていいのです。さまざまな種類の運動を経験していくことで、運動神経はより複雑につながり、新しい運動の習得を易しく、できることはもっと上手にできるようになっていきます。

 最後になりますが、技が完成しないとだめだと思い込んでいませんか?技が完成しなくても、ジャンプすること、縄を回すこと、タイミングを合わせようとすること、その全てが大切な運動で、それぞれが上手になっていくだけでも立派な前進です。技の完成だけを求めて、それができないことにがっかりするのはとてももったいないことです。今はできないというだけで、やがてできるようになることでも、技の完成ばかりにこだわって運動ぎらいになったり、できない先入観をもったりしてしまっては、やがてできるはずのものもできなくなってしまいます。子どもたちが運動をきらいにならず、自分の可能性を少しでも伸ばしていけるように、この教材がお役に立てることを願っています。

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